ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

「かぶらでこ」を操る人

北観音山の作事方さんにお話を聴く機会があった。
「車輪は1つ800kgもあるんやて。
それを6人で転がして鉾に取り付ける時が一番緊張しますな。
単純計算でも一人100kg以上の責任。
自分の方に倒れてきたらイチコロやさかい。」

巡行の時は、「かぶら」を使って進路調整をする役目をされているとか。
道は微妙に山なりになっているので、車はどうしても端に寄ってしまう。
車輪と道路の間にくさび型の「かぶら」を 噛み込ませてまっすぐ進むように気を配る。

「10トンもの山の下に”かぶら”を噛ませるのはさぞかし怖いでしょう」、と尋ねると
「それより、それで方向が変わらへん方が怖い」とおっしゃる。
新町通りみたいに細い道は余計に気を遣う。
10年してたら、随分コツは分かってきたけどね」

普段はまったく別のお仕事をされているらしいけど
この時期はザ!祭男!
命、賭けてはるなぁ!

写真は鶏鉾の車方さん。
2011巡行、新町通りにて。