ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

ライバルの向こうに

来月に迫った祇園祭
平成女鉾清音会は31日最終日に八坂神社で囃子を奉納する。

7月に入ると京都の下京・中京は町中がお祭りモードとなるので
平成女鉾は6月のうちに集中して練習を積む。

今は、舞殿で囃すメンバーを見極めるための期間。
鉦方の席は6~7つ。
笛方は8名くらい。
太鼓方は2名。
約60人のメンバーが実力で勝ち取らねばならない。

私が入会した当時は、同期がライバル心まる出しだった。
メンバーが発表されると、
もれた同期が泣きながらトイレに駆け込んだりしていた。
それを追いかける同期もいた。
(う~ん。青春)と思いながらも、
私はそこまでアツくなれなかった。

でも少しずつ思う。
あの頃は、囃子についてまるで分かっていなかった。
大事なのはその年に出演できるかどうかではなくて、
その先10年20年続けること。

最近になってようやく、
色んな気持ちを囃子に込めることができるようになってきた。
下手な囃子を聴くと、気持ちが悪くなるようにもなった。

あの頃燃えていた15人くらいの同期達は3年後、一人もいなくなった。
今となっては比べる対象もないけれど、
12年経ってやっと私も熱くなった。

今の新人ちゃん達も稽古に励みつつ、
長いスパンでチロチロ燃えてほしいなぁ。