ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

蛍子

想流私塾の公演中、塾長よりプレゼントをいただいた。
北村想さんのコレクションよりお引越しの放出本。
都市伝説の本、山田風太郎忍法帖関連、絵本、中島らも関連などから
めいめい欲しいものを手にした。
私がいただいたのは「蛍子~昭和叙情歌50選~」
レアものらしい。

久世光彦原作、作画は上村一夫の漫画作品。
蛍子さん(21歳)は、出て行った恋人を待つ、寂しげな女性。
カオリちゃん(6歳)という、狂ってしまったお母さんを持つ少女と、不思議な交遊を紡ぐ。
1話ごと、昭和叙情歌が添えられている。
クレープの「追伸」や山崎ハコの「ひとり唄」など、歌詞だけ見ても湿っぽい。

蛍子さんは、少し悲しい。
かなりイヤラシイ。
男の残して行った爪で腕を引っかいてみたり
愛がないと足が大きくなると恥ずかしがったりする。
不幸ぽい生活を楽しんでいる。

平成叙情歌では、こんな女性は浮かび上がってこないやろなぁ。

どんな状況でも楽しめるってのは、
どの時代にも共通している、強い女性の基本やけどね。