ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

愛馬との惜別

私の黄色い愛馬(自転車)が空回りするようになった。
ペダルを漕いでも進まない。
チェーンの音がザラザラ言うだけ。

何とか引っかかりを見つけて進んでも
一旦漕ぐのをやめるともうダメ。
横断歩道の真ん中で足ばかりグルグル回す羽目になる。
漫画で足の部分だけうずまきになっているイメージ。
なのに進まない。
いつか車に轢かれそう。

自転車屋さんに飛び込むと
「あぁこれはもう、限界やなぁ」と言われた。
後ろの車軸と車輪ごと交換のみならず
前の車輪もヒビがいっている。
チェーンはいっぱいいっぱいに引っ張られているし
ペダルもゆるんでいる。
ブレーキのラインも切れる可能性がある。
「修理するより、新しいのを買わはったら」

おぉ、私の愛馬よ。
中古で買って、約10年。
雨の日も風の日も、駅前や路上でも
いつもめんこく私を待っていてくれた。
黄色い君を見ただけで、心にホッと灯りがついた。

自転車を盗難ではなく、寿命を全うさせるのは初めてかもしれない。
自転車屋さんに
「これだけ乗らはったら、十分でっしゃろ」
と背中を押してもらう。
ありがとう。これまでよく尽くしてくれました。
ゆっくり休んでください。