私の黄色い愛馬(自転車)が空回りするようになった。
ペダルを漕いでも進まない。
チェーンの音がザラザラ言うだけ。
何とか引っかかりを見つけて進んでも
一旦漕ぐのをやめるともうダメ。
横断歩道の真ん中で足ばかりグルグル回す羽目になる。
漫画で足の部分だけうずまきになっているイメージ。
なのに進まない。
いつか車に轢かれそう。
自転車屋さんに飛び込むと
「あぁこれはもう、限界やなぁ」と言われた。
後ろの車軸と車輪ごと交換のみならず
前の車輪もヒビがいっている。
チェーンはいっぱいいっぱいに引っ張られているし
ペダルもゆるんでいる。
ブレーキのラインも切れる可能性がある。
「修理するより、新しいのを買わはったら」
おぉ、私の愛馬よ。
中古で買って、約10年。
雨の日も風の日も、駅前や路上でも
いつもめんこく私を待っていてくれた。
黄色い君を見ただけで、心にホッと灯りがついた。
自転車を盗難ではなく、寿命を全うさせるのは初めてかもしれない。
自転車屋さんに
「これだけ乗らはったら、十分でっしゃろ」
と背中を押してもらう。
ありがとう。これまでよく尽くしてくれました。
ゆっくり休んでください。