ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

モンスターペイシェント

「院内暴力 モンスターペイシェントの発生原因とその対応について」
という講演を聴く。
保険医協会事務局長さん。
本職の傍ら、病医院の経営者から悩みを聞いているうちに
「なにわのトラブルバスター」と呼ばれる存在になったらしい。

院内暴力、暴言やセクハラ、理不尽なクレーム、医療費を払わないなど
以前に比べてトラブルが深刻化しているとか。

・薬物患者が1日3回救急車でやって来て鎮痛剤の処方を強要する
とか
・「なんで検査の結果異常が見つからなかったのに、金を払わなあかんねん」とまくしたてる患者の父親
とか
・指を詰めた暴力団関係者が次々治療に来て、一回7万円の治療費を払ってくれない
とか
本当にあった事例を教えてもらった。

病院側は「被害に遭う方が悪い」「暴力も病気のうち」と
我慢と根性を美徳としがちだけど
放置しておくとよけいに大きな問題になる。
医療人を守ることは、他の患者を守ること、とおっしゃっていた。

対話時の心構えは
・当初から事実のみに基づいた対応を心掛ける
・最初の数分間は原則として反論しない
・当初の段階で相手の用件を明確にする
・湯茶などの接待はしない(凶器となる)
・灰皿や花瓶を置かない(凶器となる)
・多弁は禁物
・病院長など決裁権を持つ者は出さない
・意思表示は明確にする。特に、拒否の意思は明確に。
・「検討します」「相談してみます」という言葉は使わない。相手に余計な期待感を持たせる結果となる
・相手の挑発に乗らない、相手を挑発しない。
監督官庁・マスコミへの告発などの脅しに屈しない
・相手の要求に即答しない
・相手の要求は、相手に言わせる(具体的に何が目的なのか確認する)

要は「少々の法律的知識と、誠実さと度胸」だそうな。
帰り道、私は普通の人が恐しく見えて、すでにビクビクしたけどね。