ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

ドクとイカロスの翼

松山旅行は、近藤元治先生と一緒だった。
先生は内科医だけど、何冊も本を書いておられる。
専門書もあるが、
「医師からの助言」など病気を一般向けに解説したもの、
「ドク」という町医者が活躍するシリーズもある。

去年出版された『ドクとイカロスの翼』という本は、
四国松山出身の、飛行気乗りのお話。
明治時代に近藤元久という青年が中学を出てアメリカに渡り、
日本人として初めての民間パイロットになった。
日本に凱旋する直前、テスト飛行中に墜落。
28歳で亡くなったという実話。

その、元久さんの足跡をたどる旅でもあったのだ。
彼が松山からアメリカに向けて出航したのは船だった。
だから船で東予港に渡った。

元久さんのお墓をお参りして
同時代に生きた正岡子規、秋山兄弟(坂の上の雲)の生き様を博物館で学び、
帰りは、元久さんの願いをかなえるべく、飛行機にした。

それが、思ったより小さなプロペラ機。
大阪まで帰れるのか、とても不安。
小説で、元久がクラッシュしたシーンが浮かぶ。

(ここまで後を追わんでもええねんけどなぁ・・・)
と、内心思ったのは、無事に帰って来たから言える言葉。