ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

労研饅頭

松山市の大街道(おおかいどう)という通りで、レトロなお店を発見。
労研饅頭を売っている。

おまんじゅうと言えば、「千鳥」とか「鶴亀」とか、
めでたくておいしそうな名前をつけるもんだと思ってたけど
「労研」て、なんてカタブツな名前なんだろう。
工業製品やコンクリートを連想させる。

この饅頭、昭和6年から作られているらしい。
夜学生に学資を与える事業として
倉敷労働科学研究所で開発され、売り出したそうだ。
だから、「労研饅頭」

饅頭とは言え、どうやら蒸しパンである。
蒸しパンに甘納豆が混ざっていたり、あんこが入っていたりする。
1個105円。
よもぎやココア、レーズンなど、たくさんの種類がある。

「京都に持って帰りたいんです」と言うと
「これは保存料を使ってないので、日持ちがしないんです」とのこと。
店員さんも生真面目というか、商売っ気がない。

「今日中に食べたら大丈夫ですか?」と聞くと
「時間をおく場合はすぐ冷凍して、電子レンジで30秒だけ温めてください」と言われた。

ガラス戸棚から出してもらうと、特別な食べ物に思える。
卵も使ってない素朴な蒸しパン労研饅頭は、しっとりおいしかった。
ネジや鉄は入ってなかった。
真面目に作った、苦学生にも優しい味。
雅さや飾り気はないけど、愛のこもったおまんじゅう。
お近くにお寄りの際は、いっぺん食べてみるといいと思いますよ。