『松竹大歌舞伎 近松座公演』を観に、春秋座へ。
演目は、『恋飛脚大和往来』
歌舞伎には、江戸歌舞伎と上方歌舞伎があるらしい。
江戸では「荒事」と呼ばれる豪快な芸が人気だが
上方歌舞伎は、「和事」(わごと)という優美な演技が特徴らしい。
江戸では「立役」(主役)はあくまでも二枚目らしいが
上方では主役も笑わせたりする。
今日観たのは、坂田藤十郎さん率いる、上方歌舞伎。
なるほど、和事。
遊女とのシーンは、男がわざとすねたりして、いちゃいちゃ。
遊女を身請けする話でライバルと言い争いになって
運ぶ途中の公金に手をつけてしまい、
「わしと死んでくれ」と遊女に頼み
ガクガク、ヨレヨレになって退場していく。
とにかくなよなよしているのだ。
遊女は関係ないのに「一緒に死にましょう」と承諾して、堂々と門を出て行くが
忠兵衛は上着を裏返しに羽織ったり、グズグズしている。
なよなよ具合を演技で表現するのは難しい。面白い。
しかも今日のカップルは、おじいちゃんと孫らしい。
二部は、踊り。
連獅子(れんじし)を観た。
わが子を千尋の谷に突き落とす場面、鼓と笛の激しさが緊張感を与えた。
片岡 愛之助(ラブのスケ)さんが飛び上がってドンと胡坐を組んで座る所作など、下手したら怪我をする。
最期は、引きずるほど長い毛を「これでもか」というほど二人で回して、
ムチウチにならないかと心配した。
なよなよの後だけに、勇壮な踊りが見れて、スカッとした。