終電も終わりそうな宵山の夜中には、
地元の人くらいしか参加できない
日和神楽(ひよりかぐら)という行事がある。
翌日に控えた巡行の天気を祈って、お旅所まで囃子をして回るのだ。
鉦や太鼓をくくりつけた山車が、提灯を掲げて行き交う。
囃子と囃子の音色が重なって、なかなかに情緒がある。
町の人が差入れを用意して門口で待っていたりする。
地元の人との交流も垣間見え、しみじみと良い風情である。
今年は授与品の集計につき合って、地上に出ると
函谷鉾の日和神楽が帰ってくる時間だった。
帰ってきたお囃子隊は、最後の若三遍五遍という曲ではじけて終わる。
その後、厄除けちまきが飛び交う。
空からも降ってくるし、意中の人に手渡ししている囃子方もいる。
私はたいがい、こういうのにあぶれるクチだ。
(みんなガッツがあるなぁ~)
と思いながらふと下を見ると、
マルコメ君みたいな囃子方がちまきを差し出していた。
「ありがとう」と受け取った。
うれしい。
胸がキューンとなったよ。