ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

日和神楽の夜

終電も終わりそうな宵山の夜中には、
地元の人くらいしか参加できない
日和神楽(ひよりかぐら)という行事がある。

翌日に控えた巡行の天気を祈って、お旅所まで囃子をして回るのだ。
鉦や太鼓をくくりつけた山車が、提灯を掲げて行き交う。
囃子と囃子の音色が重なって、なかなかに情緒がある。
町の人が差入れを用意して門口で待っていたりする。
地元の人との交流も垣間見え、しみじみと良い風情である。

今年は授与品の集計につき合って、地上に出ると
函谷鉾の日和神楽が帰ってくる時間だった。

帰ってきたお囃子隊は、最後の若三遍五遍という曲ではじけて終わる。
その後、厄除けちまきが飛び交う。
空からも降ってくるし、意中の人に手渡ししている囃子方もいる。

私はたいがい、こういうのにあぶれるクチだ。
(みんなガッツがあるなぁ~)
と思いながらふと下を見ると、
マルコメ君みたいな囃子方ちまきを差し出していた。

「ありがとう」と受け取った。
うれしい。
胸がキューンとなったよ。