ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

おしゃべりなしゃれこうべ

今日は父の納骨。
母が「お経を詠んでもらえるところに行ってもらわなくちゃ」と言うので
大きい骨壷に入った遺骨をお寺の霊廟に納めることにする。

まず、本堂でお経を詠んでいただく。
須弥壇前机には他にも遺骨が並ぶ。
「わしのが一番大きいぞ」などと
父が耳元でずっと冗談を言っている気がする。
おかしくて「静かにしとき」と思わず注意しそうになる。

42段の階段を上がって丘の上へ。
遺骨を持つ叔父に「おう、すまんな」と父が話しかけている気がする。

古墳のように、石で囲われた敷地が現れた。
お坊さんが二人いて、特別な履物に履き替える。
一人はお経を詠み
一人は骨壷を掲げて敷地の奥へ消えて行った。

そこから先は、死者の領域なのだな。
急に耳元の声が静まった。

お父さん、またね。
また遊びに来てね。