ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

KYの料理店

I嬢推薦の中華料理を食べに、丸太町へ。
おばあさんと息子さんだけでやっている小さいお店なので
予約しないと入れないらしい。

なのに肝心のI嬢から「遅刻する~」とメールが入った。
「先に注文しといて。おススメは、酢豚と、春巻きと・・・」と書いてある。

路地を入り、小さい灯りにたどり着く。
店の看板には『味処』とだけ書いてある。
まさか中華の店とは思えない。

お店に入った途端、おばあさんが忙しく働いておられた。
「狭いですさかい」と
カバンを店の奥(自宅スペース)に預かってくださった。
だがその荷物には、今日のオススメ料理が書かれた携帯が入っているのだ。
(あわわ、どうしよう)
部屋に取りに行くのはあつかましいし、おばあさんは忙しそう・・・。
焦った。

I嬢が到着し、無事に注文。
残念ながら酢豚はなかった。
代わりに鶏の甘酢を頼んだ。
おいしく戴いたけど、
それは鶏のトーチー炒めだったらしい。
おばあさんのオーダーが間違っていたらしい。

改めて注文しようとしたけど、
息子さんの気分が乗っていないようなのであきらめた。
客も、空気を読まねばならない。

おばあちゃんは「私は大正生まれどす。
この辺は昔(ホテルフジタの)藤田男爵の土地だったんでっせ。
回りは野っ原で、息子は毎日鴨川まで飛び出して行ったんどっせ。」
と話してくれた。

色々不安になりながらもおばあちゃんのキュートさで許せてしまう。
そんなあったかいお店でした。