ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

『三人姉妹』の技法と世界

ぶんげい演劇工房 学芸講座を聴きに、文化芸術会館へ。
今日は、「チェーホフ『三人姉妹』の技法と世界」と題し、
永田靖先生の講演が聞けるのだ。

私は先日、「チェーホフを読むとブルーになる」などと日記に書いたが、
あれからチェーホフにはまっている。
ロシアの風土や国民性が分かってくると
人間の悲喜こもごもが描かれたチェーホフ作品は、止められない止まらない。

「『三人姉妹』は、普通の劇から言えば、めっちゃくちゃです。
劇的なプロットがありません。
会話では意思疎通していません。
因果関係で劇全体が成り立っていません。
空間的にもゆがんでいます。
かなり実験的な作品です。」
などと、おっしゃる。

「でも技巧に富んでいます。
些細なエピソードの数々や
亡きお父さんからの自立にもがく兄妹の様子や
焦点が複数ある舞台設定の意味」など、
解説を聞いて、(なるほどなるほど)と、納得した。

稽古していて疑問に思っていた事や
気持ち悪いところが、随分解決された。
ありがとうございました。

学芸講座は別の講師を迎え、あと2回あります。
詳しくは文芸マスターピース工房のブログをご覧下さい。