家族で淡路島へ。
一家で旅行するなんて、私が小学生の時以来らしい。
らしい、というのは憶えていないからだ。
その時は有馬温泉に行ったそうだ。
私と妹は、旅先でマンガばかり読んでいたそうだ。
これには納得がいく。
私たち姉妹は母の実家に帰る時、いつもマンガを買ってもらった。
船で暴れないようにとの母の作戦だろう。
普段は『小学三年生』(学年によって進化する)を愛読していた私だが、
旅行になると『りぼん』や『なかよし』を買ってもらえる。
「ドラえもん」や「あさりちゃん」な子供の世界とは違う、
「有閑倶楽部」的大人の世界に、旅の途中で夢中になったものだ。
悲しいかな子供はそれで、
”旅”と言えば”マンガ”という習性が植え付けられた。
家族旅行でも、
駅の売店に売っている「りぼん」をせがんだに違いない。
せっかくお金と時間をつぎ込んだ旅行なのに、
子供らは手元のマンガばかり見て
母はさぞかし残念だっただろう。
今回企画したのは、私達子供であった。
ホテルの予約をし、電車とバスのスケジュールを立てた。
だが明石海峡公園を巡りながら振り向くと、母はすぐに寝っころがっている。
今度はこっちが母のペースに付き合う番だ。
のんびり、少しずつな旅でいこうね。