ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

映画『祇園祭』

祇園会館で、映画『祇園祭』を見る。
40年前の作品だが、このたびニュープリントで蘇ったのだ。

応仁の乱の頃、40年ほど祇園祭が途絶えていた時の話。
侍のみならず、町人までが戦乱に参加し、土一揆の百姓達と殺し合う。
映画の3/4は戦乱のシーンだった。
素人の戦いは、リアルにぶさいくで、ヒヤヒヤする。

そんで「弱い者同志で戦っても意味がない。わしらは町衆にできること、
祭りをするんじゃ」
と、中村錦之助が言い出す。
意外な意見だ。
それに三船敏郎田村高廣渥美清高倉健が協力する。
それまで敵だったり、身分差別で仲が悪かった人達だ。
祇園囃子を作ったのは、ナント岩下志麻だった。
河原者の役だけど、化粧が濃いぞ。

はぁ~、いい話やった。
会場のあちこちから、すすり泣きが聞こえてきた。
せや!祇園祭の原点は、情熱や!団結や!自治や!
(なんか、学生運動みたいになってきた)

驚いたのは、映画のために長刀鉾のレプリカを作り、巡行させた事。
本物の菊水鉾や放下鉾も撮影に加わっていた。
山鉾連合会の理事長さんは、
無形文化財の指定を受ける前だからこんな事ができたんです」
と言っておられた。
いやいや、祇園祭はこれくらいの自由さがなきゃ。
型におさまってしまうと、違うものになってしまうと思うんやけどなぁ。