引越しの荷造りをしていると、借りパチしているものが気になる。
これは、お詫び行脚をせねば。
何人かに連絡を取り、返却の段取り。
中には「何か貸してたっけ?」と、すっかり忘れている人も。
ふと、返却しようと思った本の
付箋を貼ってあるページを開く。
「社会学が私にくれたもの、それは、『言葉の世界』でした。
言葉をどう使うかで、人はものを見ることができるし、見ないこともできる。
見せなくもできるし、見えなくもできる。そして、見破ることも」
この一文が元凶。
めくるめく、本の世界へ。
遙陽子さんの『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』
何年か前、「ケンカが苦手やねん」と言った私に
「これを読みなされ」と女優U嬢が貸してくれた一冊だ。
いまだにケンカは苦手だが、
今さらながら、おもしろい。
ごめんUさん。もうちょっと借りさせて。