ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

リーマンリブ

私は、献酒用のお酒を探していたのだ。
道で聞くと「錦を上がったところにあるのは確か、酒屋やと思うけど・・・」
と、あいまいな返事。
「ありがとうございます」ガラリと戸を開けると、
そこにはサラリーマンが林立。
ものすごい密度だ。

酒屋が店先で立飲み屋をやっている形態だが ぎゅうぎゅうなのだ。
「すいません」「すいません」と押し分け、入っても入ってもサラリーマン。
京町家のたたき、土間、台所にいたるまで背広で埋め尽くされている。
皆アルミの盆を敷き、缶ビールやスルメを乗せ、赤ら顔。
女性は見事にいない。
「象の墓場」のようだ。
サラリーマンは仕事が終わると、このようなところに集まっているのだ。

「お店の方は?」と聞くと、「お母さんならあそこに」と言われ
小柄なおばあさんをつかまえた。
めでたくお酒はゲットしたが、のしを書く場所もない。

いやはや、ある意味桃源郷でした。
ガタガタの字で書かれたのしの酒を持ち、店を出てしばし呆然としました。