ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

獣の奏者

医師である知人に薦められたものの、手つかずだった本に着手。

上橋菜穂子ワールド。

図書館では児童書やティーンコーナーにあって、ファンタジー小説に分類されている。

 

これが、読み始めると面白い!

主役はエリンという女性。

霧の民(アーリヨ)という種族の母親は、聡明で強い。

リョザ神国王の真王(ヨジェ)も女系。

闘蛇(龍のような動物)や王獣(火の鳥みたいな動物)という、恐ろしい獣も登場する。

謎の多い王獣は、時にモフモフで、なかなか愛らしい。

 

I闘蛇編 II王獣編 で一旦終わったけれど、図書館で予約して

III探求編 IV完結編 と、2週間で読んでしまった。

 

ティーンズ向けとは言え、政治や生物の生態、教育や医療、遺伝、音響工学など、取材に裏打ちされて、話は自在にふくらむ。

エリンはずっと、探求し続ける。

「人は群れで生きる獣だ。群れをつくっているひとりひとりが、自分が何をしているのかを知り、考えない限り、大きな変化は生まれない」

記録を残すこと、真実を知ること、考え続ける事の大切さも感じた。

あと、V外伝 刹那 が残っているのだ。

幸せすぎる。