ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

日本のミケランジェロ

新潟県に来た第一の目的、石川雲蝶のツアーへ。

江戸時代末期から明治にかけて、越後で活躍した芸術家。

彫刻、絵画、寺の設計、書院障子など、点在する寺に見事な作品が残っている。

ツアーは朝9時半から16時半まで。

2週間に一度、10名以上集まったら催行されるらしい。

本日は25名の参加者で、大型バスを借り切って賑やかに。

 

ツアーは、三国街道塩沢宿→八海山龍谷寺→西福寺開山堂→道の駅 深雪の里で昼食→針倉山永林寺→湯沢瑞祥庵と、自力ではとうてい一日で回れないコース 9800円。

今回は特別に、開山堂が撮影OKだった。

いやぁ、迫力のある作品の数々。

道元禅師猛虎調伏の図。

道元が宋から帰国する前日に見つかった経を写経する図。

これらを一本の木から彫り上げるなんて、想像を絶する。

雲蝶さんは身長150cm、手も小さかったらしい。

この手と、燕三条金物屋が提供する道具のおかげで、ここまで奥深く細工できたようだ。

龍谷寺では、仲の良い獅子の像の欄間があった。

自分の家族を想って作ったと、心温まる解説。

一方永林寺では、「目細、鼻高、桜色」の色っぽい天女が彫られていた。

どうやら単身赴任中に愛人ができたらしい。

刺激は芸術を生むのねぇ。

 

ガイドの中島すい子さんは、かなりの雲蝶研究者、というか、マニア。

雲蝶が居候していたお宅の子孫(お菊さん?)と茶飲み友達になって、位牌を納めている厨子を開ける許可をもらったとか

雲蝶の博打友達の子孫のお宅で、普段は見られない雲蝶作品を(10年に一度の虫干しがてらに)見せてもらったとか

ご自分も縁あって雲蝶作品を所蔵しているとか、バスの中でも楽しいお話。

 

最後に、行方不明の雲蝶作品を捜してほしい、と訴えておられた。

飾っていた家で、男子ばかりが亡くなるのを、この彫刻のせいにされて、持ち主が流転したらしい。最後に確認されたのは名古屋だとか。

もしご存知の方がいらしたら、”六日町観光協会”さんにご一報を。

www.pref.niigata.lg.jp