ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

製薬会社の説明パンフの読み方・使い方

研修医・学生のためのイブニングセミナーに参加。
東京北医療センター総合診療科、南郷栄秀先生のお話。
タイトルは「製薬会社の説明パンフの読み方・使い方」

最初に、自己紹介と共に学術的COIと経済的COIを開示して
ご自身がどんな大学や企業と利益相反があるのかを明らかにする。
製薬会社に依存しないため、ロゴのついたペンやマグカップは使わないし
お弁当つきのランチョン・セミナーには参加されない、とのこと。

製薬会社主催の説明会や配布されるパンフレットについて、トリックを解説してもらう。
見抜くコツは、たちつてと。
「た」てじくマジック
「ち」っぽけな効果
「つ」いせきできない
「て」つなぎアウトカム
「と」ぅるーアウトカム

データ数が少なかったり、大げさに効能を謳ったり、意味のないグラフを掲載したり、○点と書くだけで全体の点数が不明だったり、比較がおかしかったり、臨床試験自体が特定の薬を使った販売促進になっていたり・・・よく見ると突っ込みドコロがいっぱい。
薬の金額は、ほとんどが宣伝料に使われていて、医師や薬剤師は知らず知らずに影響を受けている。
本当に患者さんのためになることは何か、読み解く力を養ってほしい、とのことだった。

お弁当を食べることが暗黒面に落ちるとか、
フォースを使って闘うためにはどうしたら良いかなどスターウォーズの要素があったり
エビデンスのバックに海老の写真があったり、
同じ薬がたくさんある様子をAKB48に例えたり、繰り出すパワーポイントに笑ってしまった。

トップジャーナルに掲載される論文も、結局宣伝になっていることなど、ショッキングな内容も含めて、とても興味深い公演だった。

後ろの先生が落としたペンを拾ってあげたら、薬の名前が書いてあった。
製薬会社依存、蔓延してるなぁ。