ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

車椅子の斎王代

友人がギックリ腰で、動けなくなってしまった。
「病院で神経ブロック注射を打ってもらう」と言うので
車椅子に乗せて大通りまで行き、タクシーを拾おうとしたけれど
いかんせん葵祭とぶつかってしまった。

全面通行止め。
しょうがないので車椅子を押して歩く。
滅多に使わない車椅子のタイヤの空気は抜けて、ベコベコ。
観光客を縫って行けども行けども、タクシーの影はない。

河原町通りをやって来る葵祭の行列とすれ違う。
雅な平安貴族達が歩いている。
馬がいななき、牛のヨダレが白い。

「牛車に乗ってる斎王代と一緒やね」
と、よくわからない慰めを言う。

彼女がギックリ腰にならなければ、こんな時間にゆっくり歩くこともなかった。
想い出深い葵祭となりました。
車椅子を押す腕の筋肉痛がいつ来るか、恐れながら楽しみ。