寺町通りに停めていた自転車が、50分ほどの間に消えていた。
かわいい歯ぐき色したグッキー号。
さんざん探し回ったけど、こつ然と、ない。
傷心で笹屋さんに行ったら、お客さんに
「今晩自転車に乗っていたら、事故に遭っていたかもしれへんで」
「自転車はきっとあんたの身代わりになってくれたんやで」
と慰めてもらった。
大将は「ひめさんお誕生日か」とシャンペンを１本サービスしてくれた。
皆さんの心遣いに少し気持ちが上がりました。
酔っぱらって家に帰って、やっぱりグッキー号を思い出して
「グッキー！」と呼びながら泣いた。
泣き疲れてストーブの前で眠った。
目が覚めてパソコンを立ち上げたら、
たくさんの人が「おめでとう」のメッセージをくれていた。
朝の４時に、一人ずつに返事を打った。
私は幸せ者です。お誕生日、ありがとう。
