ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

娘の一本道

母が来た。
用もなく来た。

どうも独身娘の行く末が気になってしょうがないらしい。
「こんなんあるらしいで」
新聞の切り抜きやらデータやら、色々持ってきた。
Yahooの婚活支援だの、パーティーの開催案内だの。
「そんなんお金かけたって一緒やで」と言っても、
費用対効果を期待しているようだ。
私が自力で伴侶を得る可能性を信頼されていない。

このままではいかんと、気分転換に植物園へ。
京都の地理は私の方がよく知っているので、
母の車を運転。
「赤信号やで」だの
「自転車来てるで」だの
横からいちいち注意が入る。
「ほら、山がきれいやで」などと言っても、前方から視線を動かさない。
娘の運転も信用されていないようだ。

私の人生も運転も放っといてほしいわ・・・!
ちょっとうっとうしく思いながら朝、家を出た。

帰宅したら、りんごがむかれて冷蔵庫に入っていた。

「か、母さん・・・」

少し時間が経ったりんごは程よくフガフガで
愛だけ噛み締めて戴きました。