ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

下京はわしにまかせとけぃ!

京町家大工棟梁の「下京はわしにまかせとけぃ!」という町歩きツアーに参加する。

午前中は~五条楽園から柳原銀行記念資料館、渉成園まで~
午後は~東西本願寺から花街島原・輪違屋、角屋まで~
京町家の棟梁、山本茂さんが、家の造りなどわかりやすく解説してくださる。

大工は、生活のすべてを知ってなあかん。
地質、方角、木の性格、水仕舞、美的感覚。
昔の大工は指物ひとつですべて計算しとった。
ただ、書き残してないので残っとらん。

五條楽園あたりは「男はんの遊び場」だったらしく
「千本格子」と言って、斜からは見えないけど、正面からは別嬪さんが見える造りや
「べんがら」塗りの壁
家の中も見学させてもらった。
入っただけでドキドキした。

本願寺にやってくる門徒のための宿舎(詰所)では
建仁寺垣」という竹垣の組み方や
「ごろんぼ」と言う梁
家の空気を通すための工夫も教えてもらった。

木の切り口を見ただけで、ねじれや強さなど、木の心が想像できるとか。
石の上に建てるだけの木造建築は、地震の時にはいごく(動く)から丈夫とか。
聚楽第辺りの土にはバクテリアがいて菌を食べてくれるとか。
道を歩きながらも、色んな人と知り合いで、挨拶されている。

「以前住んでいた町家は大家さんが潰してしまったんです」と言うと
コンクリートは70年、木の家は100年持つんや。
2間、3間の間口の家でも修理したらなんぼでも住める。
なるべく潰さんと住み続けてほしいなぁ。
とおっしゃった。

壊れていく映像ばかり見ていたので、
こうやって造る人達の仕事を見たり聞いたりすると、
力強く感じる。
人間はコツコツ造り続ける。
尊い仕事である。