ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

色喪服

お世話になっている先生が亡くなられたので、通夜へ参列。
先生は芸舞妓さんに邦楽も教えておられたので
会場にはその方面の方もたくさん参列していた。
花街関係と思しき人々は
髪は地味に結っているが、色喪服を召している。
水色や灰色、クリーム色など紋付の着物に黒い帯。
常より明るい感じがして、儀場にも色気が出る。

「昭和の初め頃まで、喪服は白かった」
と聞いたことがある。
遺族や主だった近縁者は
死者と同じようにわらじを履いたり、
死者のトレードマークである額紙(あの白い三角の紙)をつけていたとか。

喪主が頭に△をつけていたら、今ならびっくりして、ちょっと笑ってしまうかもしれない。
しきたりや伝統というものは、案外あっという間に変わるのだ。
今日みたいに、故人の生前の生き方が窺えるようなお葬式もいいな。

常識や伝統も変わっていくんやろね。
先生、天から見守っていてください。