ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

ひな鳥ピーピー

平成女鉾清音会稽古。

祇園囃子を極めるには、どのパートも先輩から厳しい指導を受ける。
鉦の修行を3年以上修めた囃子方は、次に「笛」か「太鼓」に上がる。
太鼓は2名しか叩けないのに比べて、笛は何人でも囃子に参加できる。
稽古前に準備も要らないので、太鼓よりは気楽だ。
笛が好きな人ももちろんいて、笛方を選ぶ囃子方は多い。

今日は、笛方の様子をレポートしよう。

気楽とは言え、
祇園囃子で唯一メロディーを担当する笛の世界もなかなかに厳しい。
今年笛に上がった新人達は、「そこの2匹!」などと呼ばれている。
音を鳴らせない者は、まず動物扱いだ。
今日は2年目以上の笛方達が「そこの子供達!」と呼ばれていた。
一人前ではないが、彼女らは人間並になれたらしい。
喜んでいた。

通りすがりの女性が「見学させてください」
と稽古場を訪れた。
ちょうど笛のスパルタ訓練をしていた時だった。
「ほら、あんたらの笛聞いて、引き寄せられて来はったで」
と先輩に言われて、恐縮する笛方新人達。

私は太鼓を叩きながら、(羽を寄せ合う雛鳥のようだ)と思った。
おっと、これでは格下げだ。
リズムを狂わせないよう、集中、集中。