ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

だめ。絶対。

『エッチさんいらっしゃい』のゲネリハーサルに備えて皆で集合した時
ごまのはえ氏だけ、衣装をつけていなかった。
ブリーフとTシャツ姿だった。
第1話から出演し、演説を行うというのに。
「衣装を出してみたら他のコントと重なっていて、ヤバイなと思ったんですよ」
と何やら言い訳をしている。
オープニングの音楽が流れても、その格好でふざけている。
ついに、舞台にそのままの姿(つまり、ブリーフとTシャツ)で現れた。

舞台裏に行って「その衣装はいけない」と言った。
「ダメですか?」と澄んだ目で問いかけるごま氏に
「ニットを知らないお客さんを一発目から引かせてはいけない。1話目はマトモな人がモットモらしく歪んだ演説をするのが芸なのだ。格好で表してはいけない。露悪趣味だ。」と説得した。

なんでわたしが演出に注意せねばならないのか?
ごま氏は劇団員に「皆の靴の色を合わせろ」とダメ出ししておきながら、自分の事にはどうしてこうも無頓着なのか?
色んな思いが交錯する。
でも高原嬢が「私が何を言っても『細かい事を言うな』って聞いてくれないんですぅ」という訴えに背を押される。
これは細かい事ではない。

「だめ。絶対。」
と、麻薬防止のポスターのように訴える。

本番は急遽、Yシャツと靴を借りて、
ズボンも穿いて
大学教授風の格好になった。
ネクタイがないが”クールビズ”ということで乗り切った。

個人的には、ごま氏のブリーフ姿は好きなんだけどね。
パンツからモモにかけてのラインが『伝染るんです』のかわうそ君みたいやしね。
だからこそ、切り札は出し惜しみしなあかんよ。
グラビアアイドルかて、そうそう脱がへんやろ。