『十三人姉妹』で、私のメイクの仕上げは石原所長に委ねられる。
正一所長のゴッドハンドで、完成されるのである。
ただ、私のメイク変えはかなり時間の制約があるので、舞台の袖で行われる。
暗闇でメイクの筆を走らせる所長と、
ひざまずき享受するひめ。
まるで洗礼を受けるマグダラのマリアのような図が展開されている。
その結果を明るい所で確認する暇もなく、
「ありがとうございました!」と、私は出番に走る。
その様子だけでも、結構シュールだと思う。
できれば中継したいくらいである。