ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

この世の夢

真夏の夜の夢』を上演した時、私は十代だった。
すごく昔のように思える。
あの時、同期で一緒に妖精の役をしたHちゃん。
おとなしくて、少しぼーっとしたところのある子だった。

演出に「お前、聞いてんのか?!」と怒鳴られて
「いいえ」と答え、演出家を絶句させた大物だった。

そのHちゃん、今はもうこの世にはいない。
あれから何年かたって、噂を聞いた。
自ら命を絶ったそうだ。

若くして命を失った友達は、生きている人よりよく思い出す事がある。
Hちゃんは、あの時、何を考えてたのかなぁ。
今回のお芝居を見たら、どう思ったかなぁ。

写真は、宮沢賢治イーハトーブ海岸と名づけた、青森の種差海岸です。