三十三間堂の脇の通りに、竹細工を売る家があった。
ちょうど、耳かきが折れたところだったので、1本選んで
「すいませ~ん!」と呼び鈴を押す。
2階から男性が下りてきた。
「ぴったりの耳かきを選びましょか」とおっしゃるので、
明るい所で、耳を見せる。
右と左。
「あ~、右の穴の方が小さいな。ほしたらコレ」
と、小さい耳かきを2つ選んでくれた。
「300年くらい前の竹や。こっちは200年前」
囲炉裏端でいぶされた、茶色の竹。
「かいてみ」と言われ、買う前なのに、耳に入れてみて、200年前をセレクト。
500円。
ふと見ると、竹の髪留めがある。
「これ、私持ってます」と言うと
「手作り市で買うたんか?」―はい。
耳かきをもう一本おまけしてくれた。
よく分からないけど、嬉しい。