今年春、新入生への言葉に館長が引用した言葉が印象に残っている。
「枝や花で勝負するより、根で勝負をしてほしい。また花の結果を実を結んだ時と思わず、その実が地へ沈んで来春目を出した時を答えとして受け取りたいのです」
濱田庄司『無盡蔵』より
そうか、華やかな花より根っこで勝負よねっ。
実よりもその種よねっ。
この本を読みながら岩手の旅を進めていたのだけれど、最後にワイナリーを訪れてブドウ園で説明を聞いた時、その感慨が覆された。
葡萄の根っこは、寒さに強い品種だけど
接ぎ木して、おいしいワインになる品種を育てるんだって。
根本の細い部分と、太くなっている幹は違う品種なのだそうだ。
根っこが違うことで、おいしい実が生ることもあるんや。
ワイン好きには、やっぱ何より実が大事やねぇ…。