二条の友人の店で呑む。
彼女は寺町二条にあった青果店2階のフルーツパーラーによく通っていたそうな。
珍しいフルーツ「チェリモア」やイチジクのパフェなんかもあって
お腹がすいたら玉子サンドを食べたりしたそうだ。
ある年、学校の教科書を見て
(これはどう考えても、あの店だ)と思ったんだって。
で、店の人に、「これ、ここの店ちゃうの?」
と言ったら
「ほんまや」
と言って、翌日から
「梶井基次郎 檸檬の店」
と貼り出したんだって。
八百卯さんに教えてあげたのは、T嬢なのだ。
「檸檬」は大正14年に初出らしいけど、T嬢が生まれて小中学生になって教科書で発見するまで、
モデルのお店は知らなかったということだ。
「八百卯」に訪れた人が看板を出してることに商売根性を感じた
と言うけれど
実態は、もっとドラマチックなのだ。
ま、その青果店も、もうやってないけどね。