帰国して、出勤して、帰り道。
ビルの前を通ると、ベルが鳴っている。
「火事です。通報してください」と機械の声が小さく聞こえる。
あれ?
ビルの横へ回りこむと、焦げ臭い。
これは、通報せねば!
119番にかける。
「火事ですか?救急ですか?」
「火事みたいなんですけど・・・・」
「臭いはしますか?」
「パンが焼けるみたいな臭いがします」
「パン?!そこにいてください!」
あっと言う間に北から南から、17台の消防車と1台のパトカーと救急車が集まってくる。
近所の人も集まってくる。
黄色いテープが張られ、作戦本部が設置される。
私は先頭で野次馬みたいに見ている。
残っていなければならないのだもの。
あれ?消防の人と一緒に地下から人が上がってきた?
と思ったら、また引っ込んだ。
近所の人によると、最近、地下に外国人一家が引っ越してピザ屋を始めたらしい。
「通報した方、本部に来てください!」
発見者の名前、住所、年齢と状況を聞かれる。
年齢は関係ないと思うけどなぁ・・・。
どうやらピザが焦げていたようだ。
もう帰っていいって。
大事にならなくて、ヨカッタ。