ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

中止について

2/15(木)、主催者から『海月ビルディング』公演中止の発表がありました。

私自身も残念ですが、観劇をご予定いただいたお客様、私の出演を楽しみにしてくださっていたお客様へ、お詫びを申し上げます。
以下、作品づくりに関わったメンバーとしてご報告をいたします。

脚本は、3幕のうち2幕までもらっていました。
稽古当初から登場人物の細かい設定が発表され、未完成の部分には緻密なプロットが添えられ、
作家、根本氏の頭の中ではある程度できていたんじゃないかと思います。
中止の判断は作品づくりに行き詰ったとか、稽古で停滞したという理由ではありません。

年明けから演出、根本氏の体調不良で急に稽古が休みになることがありました。
とはいえ再開したら稽古は順調に進むし、足もみで触る根本氏の足裏は柔らかいし、
良い作品ができつつある手応えを感じつつ、厳しく楽しく進んでいました。
2月に入って、また急に休みになることが続きました。
私も風邪をひいてしまったため、稽古がお休みになるのはありがたかったのですが
根本氏の場合、体調が悪くなると連絡さえ取れなくなる状態のため、
根本氏含んだ劇団員(柳原氏と門脇氏)で協議し、中止の決断をしたとのこと。

中止がHPやSNSで発表された夜、柳原氏と門脇氏に、出演者スタッフが話を聞きました。
作演出が不在でも、どうにかして上演する方法はあるのではないか、と意見もありましたが
門脇氏から、今回は根本氏が新しい世界観に挑戦したものであり、
彼以外がその世界観を補って完成させることは難しい。
興業よりも作品性を大切にしたいという思いを聞きました。
作品の可能性は期待できるところでもあるし、
稽古を通じて門脇君の意見に共感できる部分があったので、私の気持ちもそこに落とし込むことにしました。

今回ご一緒するはずだったキャストもスタッフも、魅力的な方々でしたし、
このような結果となったこと、大変残念ではありますが、
誰よりくやしいのは、根本氏始めBaby Peeの劇団員だと思います。

いつか、この世に生まれかけていた海月ビルディングの世界が、
皆さんの目に触れる日があればいいな、と思っています。
(私が関われるかどうかは分かりませんが)
私が演じるはずだった舟守さんという女性も、自分なりに供養してあげたいと思います。

ではではまた、お会いできる日まで。
(そんなに遠くありません)
どうぞよろしくお願いします。