ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

引越しマイスター

引越し当日。
午前中曇っていた空が、にわかに黒くなってきた。

と共に、
「遅くなってすみませ~ん」と引越し屋さんがやって来た。

そのうち、雨がポツポツ。
かと思ったらこの季節にしては珍しいくらいのザンザン振り。

家具に毛布をかけて運び始める。
引越し屋さんはずぶ濡れ。
近頃あまり見ない、根性の光景だわ。

思えばこの家に越してきた高校3年生の時はカンカンの真夏日だった。
なぜか(手伝わなくちゃ)と思った私は
階段を上がったり降りたり、かなりしんどかったなぁ。

彼らの手際の良い仕事ぶりは見ていてホレボレする。
「そっちが和室の方に逃げて」
「OK、そのまま突いて」
説明のしにくい動きを言葉で指示する姿にプロを感じる。

それでも思ったより時間がかかった。
終わったら21時。

「お疲れ様です。時期的に引っ越し多いんですか?」
と聞くと、
「はい。昨日も寝てません。口が渇いて滑舌が悪くてすみません」
と言われた。

そう言えば「これはどこですか?」と次々運び込まれる荷物に
「それは何ですか?」「え?」「え?」と何度も聞いたなぁ。

寝てないのにこれだけの力仕事、
若さゆえやり切れるのね。