A嬢が、嬉しそうに「チエちゃんにプレゼントや」と渡してくれた。
包みを開けると、Tシャツ。
嬉しいけれど、着ていく場所が思い浮かばない。
稽古着か、休みの日に部屋で着るか…
たぶん、A嬢の前で着る機会はないと思う。
微妙なリアクションに、「いらんのやったら返して」と言われた。
A嬢はこれを買うために、わざわざ豊中まで行ってくれたらしい。
自分の分と2枚も買ったらしい。
パルナスのこのロゴが、たまらなく好きなのだそうだ。
しまいに「私の死装束にするわ」と言う。
私が「死んだら死後硬直するから、Tシャツは着させにくい」と言うと
A嬢「ほな、死にそうになったら着るわ。チエちゃん呼ぶわ」
私「病院で、管がいっぱいつながってるかもしれへんし、前開きじゃないと難しい」と言うと
A嬢「ほな、上からかけてくれるだけでもいい」
それでもA嬢、少し冷静になったみたいで
A嬢「確かにこれがカネテツのてっちゃんやったら、私もチエちゃんと同じ顔するかもしれへんわ・・・」
た、確かに、どっちも稽古着行きやな…。