レオン・カラックス監督の『アネット』を観に、京都シネマへ。
独特の暗さのある、童話のような世界。
恋人とかベイビーとか、普段なら明るく微笑ましい部分に不気味さが潜む。
主役のヘンリーはスタンダップコメディアンだが、そのギャグもシュールでヒヤヒヤする。
一人でステージに立って、客席を煽ったり、自虐ネタを言ったり。
最後はお尻を出して退場していた。
スペシャルサンクスに、クリス・タッカーの名前が挙がっているから、彼のステージも参考にしたという話も。
日本なら、綾小路きみまろスタイルやね。
さんざん観客のオバちゃんを煽って、ステージ上でカツラを取って沸かす。
歌っているのか、話しているのか、リズムが合ったり、偶然音楽的に聞こえるところもあり、それでも振り返ると、全編音楽だった。
最初に「さぁ、始めるよ」とスタジオから音楽が始まる。
最後は登場人物やスタッフが勢ぞろいで歌って終わる。
死んだはずだよお富さんの役も、子役時代の各人形も出てきて大団円。
だから、フィクションのお話として、
お化けや悲しい幕切れを引きずらず、(あ~おもしろかった)と安心して映画館を出ることができました。