ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

アネット

レオン・カラックス監督の『アネット』を観に、京都シネマへ。

 

独特の暗さのある、童話のような世界。

恋人とかベイビーとか、普段なら明るく微笑ましい部分に不気味さが潜む。

主役のヘンリーはスタンダップコメディアンだが、そのギャグもシュールでヒヤヒヤする。

一人でステージに立って、客席を煽ったり、自虐ネタを言ったり。

最後はお尻を出して退場していた。

スペシャルサンクスに、クリス・タッカーの名前が挙がっているから、彼のステージも参考にしたという話も。

日本なら、綾小路きみまろスタイルやね。

さんざん観客のオバちゃんを煽って、ステージ上でカツラを取って沸かす。

 

歌っているのか、話しているのか、リズムが合ったり、偶然音楽的に聞こえるところもあり、それでも振り返ると、全編音楽だった。

 

最初に「さぁ、始めるよ」とスタジオから音楽が始まる。

最後は登場人物やスタッフが勢ぞろいで歌って終わる。

死んだはずだよお富さんの役も、子役時代の各人形も出てきて大団円。

だから、フィクションのお話として、

お化けや悲しい幕切れを引きずらず、(あ~おもしろかった)と安心して映画館を出ることができました。