ポかリン記憶舎の朗読劇『戀文』を観に、建仁寺両足院へ。
鎌倉時代の僧、明恵上人が拾った石(鷹島の石)が語る、明恵さんへの想い。
80分を、巻物ひとつで、安部聡子さん(地点)が語りきる。
明恵上人が石や松や峰に名前を付けていつくしんだ人柄、
殺生をさせない強い心、
秘めた恋、
唐、天竺への旅の断念、
俗なる同僚達への嫌気、
夢の世界での自由さ。
如来に近づくために人間をやめたくて耳を切る場面は鮮烈に美しく
天竺行きを止めるために現れた春日明神は荒々しく
ついに悟りを開いた箇所は、めくるめく心地になった。
あかあかや あかあかあかや あかあかや あかあかあかや あかあかや月
悟りの世界は、そんなに明るくて、憧れの仏さん達と上下関係がなくて、心が開く状態なんやなぁ。
と、素人なりにときめいた。
作演出の明神慈さんは、明恵上人の物語を書くために、わざわざ京都に移住されたとのこと。
学生時代からの募る思いをしたためた戀文、素晴らしうございました。