役行者山保存会代表理事の林壽一さんのお話と、能楽師の分林道治さんによる御神体への装束付けを拝見。
国立博物館が15年かけた調査で、役行者山の金具が最古だと発表されたけれど、現物を誰も見た事がなく、町内一丸となって探し回った話や、
懸想品の飾りつけになると年配の方々が張り切って、若者の出る幕がないなど
楽しい現場のお話を伺った。
中でも一言主神は、赤い顔に角が生えて、鬼みたい。
どうやら一言主神は、役行者から大峰山と葛城山の間に橋を架ける仕事を命じられたが、顔にコンプレックスがあるため、夜中にしか仕事をせず、間に合わなくて役行者さんに怒られたらしい。
この一言主さんの胴体は、竹で編んである。
そこに布袋で補正をしてから、金襴緞子の袴、着物、陣羽織的なものを身に着ける。
おじいさんの代から着つけている、能楽師さんの手さばきの良いこと。
赤熊をつけると、一挙に迫力が増す。
このカツラは熊の毛だとか。昔の熊は、現在、連獅子等で使う赤熊より品質が良いそうだ。
「力髪」という、もみあげから出す髪もポイント。
役行者さんは、結構な垂れ目だった。
いつも暗い蔵の中で遠目に観ていた神様達、お顔をじっくり拝めてとっても嬉しい。