ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

役行者山と祇園祭

祇園祭の山鉾の一つ、役行者山のお話を聴きに、真謡会館へ。

役行者山保存会代表理事の林壽一さんのお話と、能楽師の分林道治さんによる御神体への装束付けを拝見。

  

国立博物館が15年かけた調査で、役行者山の金具が最古だと発表されたけれど、現物を誰も見た事がなく、町内一丸となって探し回った話や、

懸想品の飾りつけになると年配の方々が張り切って、若者の出る幕がないなど

楽しい現場のお話を伺った。

 

役行者山には、御神体が三体いらっしゃる。

葛城神と役行者一言主神。

中でも一言主神は、赤い顔に角が生えて、鬼みたい。

どうやら一言主神は、役行者から大峰山葛城山の間に橋を架ける仕事を命じられたが、顔にコンプレックスがあるため、夜中にしか仕事をせず、間に合わなくて役行者さんに怒られたらしい。

 

この一言主さんの胴体は、竹で編んである。

そこに布袋で補正をしてから、金襴緞子の袴、着物、陣羽織的なものを身に着ける。

おじいさんの代から着つけている、能楽師さんの手さばきの良いこと。

赤熊をつけると、一挙に迫力が増す。

このカツラは熊の毛だとか。昔の熊は、現在、連獅子等で使う赤熊より品質が良いそうだ。

「力髪」という、もみあげから出す髪もポイント。

f:id:himechiz:20210711010717j:plain

 役行者さんは、結構な垂れ目だった。

いつも暗い蔵の中で遠目に観ていた神様達、お顔をじっくり拝めてとっても嬉しい。

f:id:himechiz:20210711010330j:plain