ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

蛸入道 忘却ノ儀

週末は台風来襲。

「不要不急な予定のない限り、外出を控えてください」との報道の中、地下鉄に乗って、ガラガラの町を抜け、ロームシアターへ。

Kyoto Experiment2019への参加作品、庭劇団ペニノの「蛸入道 忘却ノ儀」を見る。

 

舞台のセットは、お寺のお堂の中みたい。

障子の外は秋の夕闇的雰囲気。

お客さんは楽器(鳴子、鈴、ミニピアノ、アコーディオンなどから選ぶ)と経典を手にとって座る。

行われたのは、芝居というより、8人で行う儀式。

お経を唱えて、真ん中の炭に火をつけ、すりつぶした実を火に放ち、煙を吸い、ダミ声で歌ったり、熱さに耐えて楽器を奏でて、共に悟りを開こうとする。

 

イメージは、タコ。

蛸は3つの心臓と9つの脳を持っているらしい。

赤い服を着た演者達が汗かいて、何がしかの境地にトリップしていく。

手元にある経典を探れども、暗くて頼りにならず。

子どもや外国人達と同じ境地で見守るしかない。

演者さんの中には、熱さで倒れそうになる人あり、支えあって儀式。

タコみたいに脳が9つあっても身体が1つなら、協力して乗り越えるしかないよね。

 

先日の火事の記憶も生々しく、ちょっとの焦げ臭いにおいにも敏感になってしまうけれど、「京の水道水」の配布もあり、最後まで見届けることができました。

お堂の戸を開くと、朝の気配。

ホールを出ると、台風一過の月夜。

とにかく、半袖を着ていって良かったわ。

…てか、ホントに暑かったのか、煙かったのか、よく分からない。

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