ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

永遠の美の薬

お客様から、差し入れを戴いた。
観に来てくださるだけでもありがたいのに。
と言いながらも、嬉しく受け取る。

最近の花束には、たまに
「切花鮮度保持剤」
というのがついている。

・花びんのお水を清潔に保ち、透明で澄んだ状態が続きます。
・お花に栄養を補給します。
・バラを始め、お花の美しさを長く保ちます。

などと書いてある。

この薬剤を入れると、確かに花は枯れないが
不思議なことに蕾は蕾のまま。
うっかり水がなくなっても、同じ鮮やかさでキープし続ける。

花の時間が止まっちゃうのだ。
美しさはそのままで、年を取るのがストップする。

これ、人間で言えば、血管を流れる血を瞬間で止めてしまうってことちゃうか。
考えると、ちょっと怖い。
今回は敢えて入れないことにした。

ここんとこ暑くなってきた部屋に飾る花は、時間と共に変化していく。
枯れていく様子も受け入れよう。

なんてことしないと、楽しい思い出からなかなか抜け出せなくなっちゃうもの。