ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

ほんがら

『ほんがら』というドキュメンタリー映画を観に、ひと・まち交流館へ。
滋賀県近江八幡には、たいまつを燃やす祭が各町にあるそうだ。
そのたいまつが、でかい。
15m、30mのものもあるらしい。

今では「どんがら」という棒型が主流だが、
50年前には
「ほんがら」という空洞の筒型があったらしい。
「どんがら」は全体的に燃えるのに対し、
「ほんがら」は筒を通って、先っぽから燃えるのだ。

その「ほんがら」を復元しようと、島町老人クラブの面々が立ち上がる。
65歳以上の元・青年団の元気な事!
その行動力!仲の良さ!統制の取れ方!
観ていて、本当に楽しい。

映画の合間には傍観する女性の俳句や
中年、若者の反応も挟まれる。
青年団が解散して50年後の、現代の若者達の、頼りない事!
「アルバイトやし」とか言って祭にも参加せず、
誘う方も「まぁ、ええねんけどな」なんてヘラヘラして
結束の先っぽもつかめない。

そんな町の人達が、しまいには協力してたいまつを燃やす。
うえ~ん。
なんか、涙が出そうになりました。
これこそ、今の私が一番観たかったドラマやわ!

それにしても老人クラブの人達、人生を楽しんでるなぁ。
そんな老人達も「若い頃は分からんじゃった」と言っていた。
残された時間を考えた時、初めて人間は
「後世に伝えたい」とか「死ぬ前に何とか」と行動を起こすのかもしれない。
煮え切らない若者に「キーッ!」となった私は、明らかに年寄り目線やわぁ。

この映像がきっかけになって、島町にも世代間にいい流れができつつあるとか。
長岡野亜監督、これからも執念の作品を!